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64歳以上の者の保険料徴収免除の廃止などを提案~労政審の雇用保険部会が報告書まとめる~

労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会(部会長・岩村正彦東京大学大学院教授)は昨年12月25日、65歳以降に新たに雇用される者を雇用保険の適用対象とし、これに伴い、64歳以上の被保険者に対する保険料徴収免除は廃止することなどを内容とした報告書をまとめた。
 報告書は、雇用保険制度について、①基本手当の水準及び平成28年度末までの暫定措置、②就職促進給付、③65歳以上の者への対処、④教育訓練給付、⑤育児・介護休業給付、⑥財政運営ーーなどに関して見直しの方向性を示している。
 報告書の主な内容は、雇用保険の適用拡大として、新たに65歳以上に雇用される者についても雇用保険の適用対象とすべきであるとしている。そして、65歳以上の者への適用を契機に、64歳以上の被保険者を対象とした現在の雇用保険料の徴収免除を廃止し、保険制度の原則どおり徴収すべきであるとしている。ただし、業種によっては雇用保険料の徴収免除の廃止の影響が生じる可能性があることなどを踏まえ、一定の経過措置を設けるべきとしている。
 また、就職促進給付の拡充として、再就職手当の給付率について、支給残日数3分の1以上の者にあっては50%から60%に、支給残日数3分の2以上の者にあっては60%から70%にそれぞれ引き上げるべきとしている。このほか、介護休業給付の給付率を育児休業給付と同様、暫定的に67%に引き上げるべきとしている(現行の給付率は40%)。
 財政運営に関しては、失業等給付に係る保険料率の見直しを求めている。具体的には、基本となる失業等給付に係る雇用保険料率については、平成28年度以降1000分の12(現行1000分の14)とすべきとし、また、平成28年度の失業等給付に係る雇用保険料率は、弾力条項を発動した上で、1000分の8とすべきとしている(27年度の保険料率は弾力条項の発動により1000分の10)。 厚生労働省は、報告書の内容を踏まえ、雇用保険法の改正案及び平成28年度の保険料率の引下げを可能とするための労働保険徴収法の改正案を今国会に提出する予定。