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産業界全体に安全衛生活動の総点検実施を要請~厚労省・労働災害の増加傾向を受け緊急対策~

厚生労働省はこのほど、今年上半期の労働災害が前年同期と比べ大幅に増加していることを受け、「労働災害のない職場づくりに向けた緊急対策」を実施する方針を打ち出した。

緊急対策では、産業界全体に対し、企業の安全衛生活動の総点検と労使・関係者が一体となった労働災害防止活動の実施を要請し、また、都道府県労働局・労働基準監督署において、労働災害防止団体などと連携した安全パトロールを実施する。

同省のまとめによると、今年6月末までに発生した労働災害による死亡者数は437人で前年同期と比べ71人(19.4%)増加している。また、休業4日以上の死傷者数は4万7288人で同1625人(3.6%)の増加となっている。

こうした状況を受け同省は、業界団体などに対する労働災害防止に向けた緊急要請を行うとともに、事業場に対し改善指導などを行う緊急対策を実施することとした。 業界団体などに対する緊急要請では、労働災害防止団体、関係事業者団体、労働組合など約250団体に対して、①経営トップの参加の下に職場の安全パトロールを実施するなど、職場内における安全衛生活動の総点検を実施すること、②安全管理者などを選任する必要がない事業場におても、安全の担当者を配置するなど、事業場の安全管理体制を充実すること、③雇入れ時教育を徹底するなど、効果的な安全衛生教育を実施することーーを要請する。去る8月5日、同省労働基準局の土屋喜久安全衛生部長は、労働災害防止5団体を同省に招集し、上記の内容を記した緊急要請の文書を直接手渡した。

また、今回の緊急対策では、事業場に対する指導を行う。特に、災害が多発している製造業(26年1月~6月の死亡災害は前年同期比12.3%増の82人)と陸上貨物運送事業(同61.8%増の55人)に対しては、一定の事業場に自主安全点検の実施を求め、その結果などを踏まえ、集団指導、個別指導による改善指導などを行うこととしている。