審議会・研究会
労災保険の遺族(補償)等年金における夫と妻の支給要件の差解消を~厚生労働省の研究会が中間報告~
2025.07.30
労災保険制度の現代的課題を包括的に検討している
厚生労働省の「労災保険制度の在り方に関する研究会」
(座長・小畑史子京都大学大学院人間・環境学研究科教授)が
7月30日、中間報告書を取りまとめた。
中間報告書は、労働者が業務災害や通勤災害等で死亡した際に
遺族に支給される遺族(補償)等年金に関して、被災労働者と
生計維持要件を充足する妻は年齢にかかわりなく受給権者となることが
できるのに対し、夫は、生計維持要件に加え労働者である妻の
死亡時に55歳以上または一定の障害がある状態でなければ
受給権が発生しないとしている現行制度について、
夫と妻の支給要件に差を設けるのは「合理的理由を見出すことは困難」として、
解消することが適当としている。
また、労災保険の適用が「暫定任意適用事業」とされている
小規模な個人経営の農林水産業について、重大な事故が
散見されていることなどを踏まえれば、順次、強制適用に向けた
検討を進めることが適当とした。
厚生労働省は、今後、労働政策審議会において議論を深め、
労災保険法の改正案を来年以降の国会に提出する見通し。