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今月のテーマ(2009年12月 その3)
人材会社活用のコツ(その2)
人材ビジネスのタイプには、前回お話した「一般登録型」や「スカウト型」の他に「再就職支援型」があります。アウトプレイスメントとも言われます。
一般登録型やスカウト型は、採用する企業(=求人企業)から紹介手数料をいただきます。これに対して、再就職支援型は当該人材を解雇しようとする企業から手数料をいただいて、円滑な人材の再就職のお世話をし、事業再構築を手助けするのがビジネスモデルです。手数料をいただく相手が異なるのが特徴です。
例えば、事業所閉鎖で解雇者が出る場合や希望退職を募る場合に、解雇となる人材の再就職のお世話をします。理論的には、ご紹介先からも料金をいただけることになっていますが、実態としては人材を解雇する企業(職安法上は「関連雇用主」)から料金をいただき、人材に対するキャリアの棚卸し、面接訓練、応募ルートの開拓への助力などを行なうケースがほとんどです。
こうしたアウトプレイスメントは、欧米型の企業では比較的定着したビジネスモデルです。その背景には、欧米が訴訟社会であることがあると思います。欧米のアウトプレイスメントビジネスでは本人に対するカウンセリングだけで終結することが多いのに対し、日本の再就職支援ビジネスは、就職先の御世話まで行なうのが特徴です(だからこそ、職業紹介の許可がいるわけです。厚生労働省の見解では、カウンセリングだけでは許可は不要としています)。日本的労務管理や企業文化など日本独特のものが残っているのか、「長いこと同じ釜の飯を食った仲間が別れざるを得ない状況なのだから、最後まできちんと面倒を見て欲しい」という日本的な企業の意向もあります。
また、整理解雇によって、生じてくる雇用不安を和らげるという効力も見逃すことはできません。
再就職支援の対象となる人材には、様々な方がいらっしゃいます。非常に自立していて、キャリアの棚卸しをコンスタントにしてきた人は、精神的にも安定しているため、支援もスムーズに進むことが多いようです。一方で、精神的な動揺が前面に出てしまう人もいます。担当する人材コンサルタントとしては、カウンセリング力にすぐれた人が、このビジネスモデルには向いているといえるでしょう。
もっとも、ひたすら相手の話を傾聴するだけで、人材に合う再就職先を見つけられない担当者は、日本ではあまり評価を得られないようです。一般登録型と同じように、その人の能力、個性にあった求人先を開拓する「求人企業開拓力」が必要となります。その意味では人材開拓力、人材探索力を問われるスカウト型と対称的な位置にあるといってもいいかもしれません。
再就職支援を利用しようとする企業は、依頼先を1社だけに絞るのではなく、カフェテリアプランといって数社と契約し、どの再就職支援会社を利用するかについては対象者個々人の選択に委ねるというケースもあるようです。
最後に、再就職支援型人材ビジネスの新しい動向をご紹介しましょう。昨今の不況の影響で失業率が高くなり、求人倍率が悪化する中、国はハローワークを主体とした雇用政策を展開しているわけですが、都道府県レベルでも住民サービスとして就職相談に応じるコーナーや施設を運営することがあります。その運営を受託するのは、これら再就職支援型の人材会社が多いという状況がみられます。
前回お話しした一般登録型やスカウト型は、ハローワークでは集まらないような人材を必要とする企業ニーズに応えるビジネスモデルですが、再就職支援型は「今目の前にいる、労働市場での競争力があまりない方」を対象としているので、こういう都道府県の住民サービスとして千差万別の方の御世話をすることに向いているのだろうと思います。
いずれにしても、人材紹介ビジネスを利用される場合、前回・今回とお話ししてきたいろいろなビジネスモデルをよく知っていただき、うまく使い分けていただくことが、人材紹介会社活用のコツのひとつと言えると思います。
【岸 健二 (社)日本人材紹介事業協会(略称/人材協) 事務局長】
